「買取の需要は都市から地方へ動いている」という声を、業界で耳にします。都道府県ごとに買取の検索を2022年と2025年で比べ、この声が合っているかを確かめました。
伸びは地方の県が1割半ほど、都市部が1割足らずで、地方のほうが大きい
買取を調べる人の多さの目安(以下、目安)は、2022年から2025年で、地方の県が約15%、都市部が約8%増えました。全国は約10%の増加で、地方の県はそれを上回っています。比べたのは、県を伸びの順に並べたときの真ん中の値です。
| 地方の県 | 都市部 | 全国 | |
|---|---|---|---|
| 県の数 | 37県 | 9都府県 | 47都道府県 |
| 2022年と比べた2025年 | 1.15倍 | 1.08倍 | 1.10倍 |
| 言いかえると | 1割半ほど増えた | 1割足らず増えた | 1割ほど増えた |
地方・都市部は県を並べた真ん中の値、全国は全国の値です。伸び方の差は読めますが、需要が地方へ移ったかは分かりません。
※地方の県は、データ側のエラーが疑われる週を含む群馬県を除いた37県です。地方の県と都市部は、県ごとの伸びを並べた真ん中の値で、全国の棒は全国の年平均の伸びを表します。+15% は、2022年の1.15倍という意味です。
地方の県は、都市部より伸びました。
伸びの大きい5県はすべて地方の県で、小さい5県には都市部が多い
伸びがいちばん大きかったのは鹿児島で、2022年の1.26倍でした。上位5県は鹿児島・宮崎・熊本・新潟・香川です。下位5県は京都・東京・愛知・大阪・三重で、三重を除く4つが都市部です。
+26% は、2022年の1.26倍という意味です。群馬県はデータ側のエラーが疑われる週を含むため、この図から除いています。
この図から、いちばん伸びが小さい京都でも2022年の1.05倍で、減った県はないことが分かります。
比べられるのは、各県が2022年からどれだけ伸びたかに限られる
この記事の数字は、県ごとに別々のものさしで測っています。そのため、「鹿児島より東京のほうが検索が多い」といった比べ方はできません。比べられるのは、それぞれの県が2022年からどれだけ伸びたかです。
※ 数字の見方は、別の記事「Google トレンドの数字は、検索の回数ではなく『検索全体に占める割合』をもとにした目安」で説明しています。2022年から数えている理由と計算方法、注意は、末尾の「データについて」にあります。
言えるのは伸び方の差までで、需要が地方へ移ったかは分からない
△判定:おおむね合っているが、言い過ぎに注意
「買取の需要は都市から地方へ動いている」という声は、伸び方の差としてはおおむね合っています。ただし、都市部も含めてすべての県で増えています。県どうしの市場の大きさは、このデータでは比べられません。
まとめ
2022年から2025年にかけて、買取を調べる人の多さの目安は、取得した値では47都道府県のすべてで上がりました。群馬県はデータ側のエラーが疑われるため、地方と都市部を比べるときは外しています。比べた結果は、地方の県が1割半ほど、都市部が1割足らずの増加で、伸びの大きい5県はすべて地方の県でした。伸びの大きさは起点の年で変わり、2021年から数えると地方1.36倍、都市部1.24倍と大きく出ますが、地方のほうが伸びた向きは同じです。需要が都市から地方へ移ったかや、県ごとの市場の大きさは、このデータでは分かりません。
データについて(出典・計算方法・注意)
データ
- Google トレンド(Google で何がどれだけ調べられているかを見られる無料の道具)の週次の値で、期間は2019-12-29〜2025-12-28 の314週です。全国と47都道府県のそれぞれについて系列を取っています。
- 対象は「買取」という1語です。他の記事で扱っている商材別の系列(「古着 買取」「服 買取」などを合算したもの)とは作り方が違います。商材別は県の粒度では大半の週が0になるため、県ごとに形を比べられるのは「買取」1語だけです。
- 値は期間内でいちばん多い週を100とした相対指数です。検索の回数や、問い合わせ・来店・成約・買取点数の件数とは別のもので、ものさしは県ごとに別々です。
- 秋の立ち上がりと全国との形の似かたは、2025年単年・47都道府県で別に取り出したデータで見ています。こちらは「2025年内でいちばん多い週=100」で、6年版とは基準が違うため、値を直接比べないでください。
全国の週ごとの動き
いちばん多い2025年11月の週を100とした目盛りで、検索の回数とは別のものです。
計算方法
- 起点は2022年です。全国の「買取」の目安は、2021-12-26 の週の63から、2022-01-02 の週の75へ、1週で19%上がっています。その後も2022年2月中旬まで、2021年12月の水準には戻っていません。
- 2022年1月1日に Google トレンドのデータの集め方が変わったという指摘があり、段差はその時期と重なります。段差が需要の伸びによるものか、集め方の変更によるものかは、このデータでは区別できません。そのため、段差より後の2022年から数えています。
- Google トレンドのデータの集め方の変更について、Google の公式の説明は、この分析では確認できていません。
- 伸びは、2022年の1年分の週の平均と、2025年の1年分の週の平均を比べた値です。「鹿児島 1.26倍」は、2025年の年平均が2022年の年平均の1.26倍(26%増)になったという意味です。始点と終点の2週だけを比べるより、特定の1週のできごとに左右されにくい比べ方です。
- 年の区切りは ISO 週の年に従います。2022年は2022-01-02 に始まる週からです。
- 本文の倍率は、伸び率(%)を倍率に直し(1 + 伸び率 ÷ 100)、小数第2位に丸めた値です。「1割半ほど」などの言いかえは、この倍率を丸めたものです。
- 都市部は、東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・大阪・兵庫・京都・福岡の9都府県です。地方はそれ以外の県で、群馬県を除いた37県です。真ん中の値は、各県の「2025年の年平均÷2022年の年平均」を並べたときの中央値で、都市部 1.0800、地方 1.1474 です。
- 参考:群馬県を含む38県で数えると、地方は1.15倍(中央値 1.1478)です。
- 図1は、地方・都市部の真ん中の値と全国の倍率を増加分(%)に直したもの((倍率−1)×100)です。
- 図2は「買取」の都道府県ごとの伸び、図3は全国の「買取」の週ごとの値です。
- 県ごとの伸びと同じ計算で、全国の伸びは +9.95% です。
2021年から数えた場合
2021年を起点にすると、上の段差が伸びに入るため、伸びは大きく出ます。地方のほうが伸びた、という向きは2021年起点でも同じです。
| 起点 | 地方の県(37県) | 都市部(9都府県) | 全国 |
|---|---|---|---|
| 2022年(本文) | 1.15倍 | 1.08倍 | 1.10倍 |
| 2021年(参考) | 1.36倍 | 1.24倍 | 1.28倍 |
- 2021年起点の真ん中の値は、都市部 1.2442、地方 1.3603 です。群馬県を含む38県で数えると、地方は1.37倍(中央値 1.3686)です。
- 2021年起点の全国は +27.59% です。
このデータで言えること・分からないこと
| 言えること | このデータでは分からないこと |
|---|---|
| 同じ県の中で、2022年に比べて2025年がどれだけ増えたか | 県どうしで、どちらの検索が多いか |
| 各県の線の形(いつ上がっていつ下がるか) | 県ごとの買取件数・市場の大きさ・事業者の売上 |
図2 の棒の長さも各県の中での伸びで、県どうしの検索の多さは表していません。
伸びの大きい5県・小さい5県
| 観点 | 伸びの大きい5県 | 伸びの小さい5県 |
|---|---|---|
| 顔ぶれ | 鹿児島・宮崎・熊本・新潟・香川 | 京都・東京・愛知・大阪・三重 |
| 2022年と比べた2025年 | 1.20〜1.26倍 | 1.05〜1.07倍 |
| 全国の1.10倍と比べて | 5県とも上回る | 5県とも下回る |
| どんな県か | すべて地方の県 | 三重を除く4つが都市部 |
| 伸び(2022年と2025年の年平均の比較) | 参考:2022年=100としたときの2025年の水準 | |
|---|---|---|
| 大きい5県 | 鹿児島 25.64%増 / 宮崎 25.55%増 / 熊本 22.93%増 / 新潟 20.33%増 / 香川 19.82%増 | 126 / 126 / 123 / 120 / 120 |
| 小さい5県 | 京都 4.98%増 / 東京 5.27%増 / 愛知 5.87%増 / 大阪 6.69%増 / 三重 7.48%増 | 105 / 105 / 106 / 107 / 107 |
- 6〜10位の大きい側は山口 19.64%増・佐賀 19.42%増・福井 19.04%増・山梨 18.97%増・福島 18.6%増、小さい側は石川 7.73%増・神奈川 8.0%増・埼玉 8.25%増・長野 8.99%増・岡山 9.78%増です。図2 はこの20県を並べています。
- 東京は1.05倍で、小さいほうから2番目です。
- 47都道府県すべてで増えています。いちばん小さいのは京都の4.98%増です。
秋の立ち上がりだけは地域差がある(2025年単年)
- 夏に少なくなる時期は、大半の地域に共通します。47都道府県中41県で、年間でいちばん低い週が6月中旬〜7月下旬に入りました。全国では6月29日の週がいちばん低く、年間でいちばん多い週の64%まで落ちています。
- 秋以降に多い週が来る時期は、地域で分かれます。関東は9月下旬、近畿と中国は11月下旬、愛知・岐阜・宮城は12月末でした。
- 主要な都市圏は、全国の線と形がよく似ています。形の似かたは相関(全国の線と一緒に動く度合い。1に近いほど同じ形)で見ていて、0.8以上の県が16県、0.9以上は愛知(0.93)・兵庫(0.93)・神奈川(0.91)の3県でした。都市圏なら、全国の形を当てても大きくは外れません。
- これらは2025年単年のデータで見たもので、6年版の伸びとは取り出し方も基準も違います。
注意
- 検索は、売ろうとして調べた動きを映す目安です。検索した人の動機や人数、実際の持ち込み点数や成約件数は分かりません。
- 都市部9都府県のうち、千葉(10.42%増)と兵庫(10.12%増)は全国の9.95%増を上回っています。都市部の中でも伸びに幅があり、本文の差は真ん中の値で比べたものです。
- 伸びた理由はこのデータからは分かりません。売りたい人が増えた、同じ人が以前より頻繁に調べるようになった、スマートフォンで調べる習慣が地方で後から広がった、などの説明が考えられますが、この分析では確かめていません。
- 群馬県に外れ値があります。県内の一部の市で急に跳ね上がった週がありますが、その時期の関連する語を調べても全国共通の語ばかりで、実際の需要の裏付けがありません。データ側のエラーの可能性が高いと判断し、図2 と地方の真ん中の値から除いています。類義語を足して薄める案も試しましたが、「買取」という検索の多い語で起きているため薄まりませんでした。
- 起点の年で伸びの大きさは変わります。2021年から数えた値は、上の「2021年から数えた場合」にあります。
- 問い合わせデータでの裏取りも試みましたが、支援先の構成が少数社に偏っていて使えませんでした。この記事は検索側のデータだけで書いています。
- Google トレンドは検索の一部を抜き出して数えているため、同じ条件でも取得日によって数ポイント動きます。数字を引用するときは取得日とセットで扱ってください。
出典・取得日
- データソース: Google トレンド(日本・47都道府県、2019-12-29〜2025-12-28、週次314週)/取得日:2026-09-11
- 作成:株式会社チャイルドバンク データラボ
運営:株式会社チャイルドバンク
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